
こんにちは。ビーズ株式会社の出穂(いずほ)です。
生活様式も市場ニーズも一変した昨今。大企業だから強いとも限らず、中小企業だから弱いとも限らない状況となりました。就活・転職活動において、今のニーズに合致した製品やサービスを展開する『強い中小企業』を志望企業に加えたい人も増えているのではないでしょうか。
今回はなかなか情報が集めにくい中小企業について、企業研究のやり方や押さえるべきポイント、志望企業の検討方法、新入社員が実際に行っていた手法をご紹介します。
すべての企業を調べられるわけではありませんが、就活生や転職希望の方、ぜひ参考にしてみてくださいね。
・企業研究をやるメリットとは
・企業研究の第1段階、調べる項目を把握しよう
・企業研究の第2段階『情報収集』は読む、聞く、体験するから
・企業研究の第3段階「検討する」は5つのポイントで!
・新卒組が実際に行っていた企業研究、会社選びのやり方
・まとめ
企業研究をやるメリットとは
まず『やる気』を高めるために、企業研究を通じて就活生、転職希望者が得られるメリットをご紹介します。
<メリット>
- 自分が良いなぁと思っている企業を、事業や業績、仕事内容、待遇など色々な角度から冷静に比べられる
- 「なぜこの会社なのか、どこが良かったのか」が明確になり、ESの志望動機が書きやすくなる
- 活動記録を残せば、次の選考段階でも一貫性のある回答ができる。
1)と2)がしっかり行えれば、就活・転職活動中だけでなく入社後も役立つ知識となります。前向きに取り組んでみてくださいね。
企業研究の第1段階、調べる項目を把握しよう
企業研究の第一段階として、調査項目を下記に挙げました。企業別にエクセルやGoogleのスプレッドシート、ノートなどにまとめていくことになります。
<調査項目>
◯会社概要
会社名
設立・資本金
所在地
代表者
経営理念
事業内容(扱う商品やサービス)
従業員数
サイトURL
◯経営状態
サイトや就職四季報で調べられない場合、後述の官報決算データベースや中小事業実態基本調査にもあたってみましょう。それでも調べられない場合は、面接に進んだ段階で、やわらかく質問してみてくださいね。
業績
・売上高
・営業利益
できれば過去3~5年の実績、そして業界平均と比較することがポイントになります。
成長性
・売上高成長率=(当期売上高-前期売上高)÷前期売上高×100
・営業利益成長率=(当期営業利益高-前期営業利益高)÷前期営業利益高×100
キャッシュフロー
営業、投資、財務の3つのキャッシュフローのうち、本業から発生した営業で、事業拡大といった投資や、借入金返済など財務をまかなうのが理想形。ただし、新規事業の展開や再建中など企業が置かれた状況によって変わります。数期連続で営業がマイナスだと、資金繰りが厳しいと見られます。
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)×100
*自己資本=株主資本+評価・換算差額等
他人資本=流動負債+固定負債
貸借対照表から抜き出しやすい数字で算出してください。
また、自己資本比率は業種によって異なり、高いほど倒産リスクが低くなります。
中小企業実態基本調査(令和元年確報) によると、平成30年度全産業加重平均値は40.92%です。
企業の強み、抱えている課題
主要取引先
従業員の情報
(男女割合、平均年齢、年収、有給取得率、3年内の離職率等)
ライバル企業
◯募集要項・働き方
・業務内容
・給与
賞与や退職金、年金は基本給をベースに計算されるため、基本給が多いほうがベター。手当が給与に含まれていないか、注意しましょう。
・手当
・賞与(実績)
・勤務地
・転勤の可能性
・勤務時間
・休日休暇
・社会保険
・求める人材像
◯就活記録
・魅力を感じた点、マイナスと感じた点
・志望動機
・選考フロー
・活動記録
企業研究の第2段階『情報収集』は読む、聞く、体験するから
企業研究の第2段階は情報収集!読む、聞く、体験するの3つの側面からアプローチしていきます。
◯読む
・コーポレートサイト
大手企業のサイトには関連企業や取引先企業も掲載されています。興味のある業界の大手企業からたどりましょう。
・企業公式のSNSアカウント
・就活サイトの企業ページ
中小企業専門の求人サイトも閲覧してみましょう。
・Wantedlyなどソーシャルリクルーティングサービス
・ネット検索
SNSやYoutube、ECサイトでのレビューや評価等も参考になります。
・書籍(業界地図、会社四季報未上場会社版、帝国データバンク会社年鑑、東商信用録等)
紹介した書籍については大学のキャリアセンターや図書館などに置いている可能性もあります。担当者やインフォメーションの方に相談してみてください。
・WEBメディア、新聞・業界紙、雑誌
・官報決算データベース
一部の中小企業となりますが、官報決算データベースで貸借対照表の要旨を公開している会社もあります。
・中小企業庁統計「中小事業実態基本調査」
「中小事業実態基本調査」では業種や規模別に売上高や資産・負債など調べられます。自ら算出し、志望企業と比べてみてください。
◯聞く
・OB、OG訪問
・会社説明会
・学内企業説明会
・合同企業説明会
・業界研究会
・工場見学
・大学のキャリアセンターやゼミの教授・先輩に相談
・ハローワーク
・店頭で商品やサービスの反応を聞く
◯体験する
・商品やサービスの購入
・展示会やイベントに参加
・工場見学
・インターンシップ
・アルバイト
企業研究の第3段階「検討する」は5つのポイントで!
データが揃ったら、次は志望企業の絞り込みに向けた検討です。人それぞれ価値観は異なりますが、次の5つのポイントを参考にしてみてください。
- 事業内容が自分の志向にあっているか
- 業界でのポジションはどうか
- 応募する職種で、自分の能力を活かせるか
- 社風はどうか
- 給与や福利厚生、制度など働き方はどうか
志望企業が絞り込めたら、上記の企業研究をもとにESを作成していきます。
*企業研究で調べた内容が、実際の面接で聞いた内容とは異なる場合もあります。
だからこそ、フラットに企業の方とあえる就活・転職相談の機会を活かして多くの企業を知り、その中から選んでみてください。
新卒組が実際に行っていた企業研究、会社選びを紹介
実際にビーズに入社した新卒組4人にも、どうやって企業研究をしてビーズに入社したのか、聞いてみました。
サイト&面談で深堀り派のねぎちゃん
ねぎちゃんが企業研究のやり方として教えてくれたのは4ステップでした。
- 就活サイトのマイナビ・リクナビで企業を調べる。
- 気になる企業があれば、企業サイトをチェックする。
- 採用サイトの就活生の方へというページと、採用サイトではない普通のHPの文言を見比べ、本気度を図る。
- 中長期計画をみて企業のやりたいこと・将来性をみる。
企業研究で調べられなかった項目は、実際に面談できた時にどんどん質問して情報不足を補ったそう。「会ってはじめて教えてくれることも多かった」と振り返っていました。
また、パッと見たときに企業間で比較ができるよう、5段階評価で採点。たとえば土日が完全週休2日であれば5点、平日を含む完全週休2日なら3点など、最終的に合理的に評価できるよう工夫していました。
あえて就活サイトを使わなかったもちおくん
自己分析に基づいて会社選びの軸を設定したもちおくん。就活エージェントや大学のキャリアセンターでは興味を持てる会社が見つけられず…。「ブランディングに注力している企業に出会いたい!」との一心で編み出したのが、下記のやり方でした。
- スポーツやメディアのスポンサー企業、SNSに注力している会社、グッドデザイン賞など各種賞を取っている会社を探す。
- 就活サイトや就職四季報で、情報の開示性を見たり、ブラックorホワイト企業なのか見分けたりする。
- 自己分析や将来のビジョンに合っているか検討する。
確かに1.のやり方なら、キラッと光る中小企業が見いだせます。ビーズもイベントのスポンサーであったことから求人に応募し、最終的に入社したそう。
詳しくはこちらから!
◯【企業探し・面接】一社しか受けなかった私の就活 vol.2
会社選びの基準が面白い!WEBデザイナーのなみちゃん
WEBデザイナーのなみちゃんは、企業説明会もWebサイトや雑誌の記事も「良いことばかり」と感じたため敬遠したそう。アウトドアに興味があったのでGoogle検索で当社を知り、応募しました。
特に興味深かったのが、なみちゃんの「会社を選ぶ基準」。WEBデザイナーとして自分が貢献できる会社なのか、どのように業務に関わりたいのかがダイレクトに伝わってきて、面接官に響くポイントにもなると感じました。
なみちゃんの会社を選ぶ基準:
- 改良の余力がある会社(WEBサイトを見て判断)
- 専門学校やデザイナー集団過ぎない(メーカー)
- 1~10まで把握できて、関われる会社等
やりたいことありきのGibson
Gibsonは最初に自分の興味があること、やりたいことを設定し、企業研究を行いました。
このやりたいことの見極め方が独特。やりたいことのキーワードを書き出す→3つか4つに絞る→1つの文章を作るという、シンプルな3ステップで完了していました。
その後、興味があるブランドをGoogle、Yahoo、Amazonで検索したり、学内・学外の企業説明会に参加したりして企業研究を深め、応募したそうです。
やりたいことの引き出し方を詳しく知りたい方はこちら↓から。
◯やりたいことがない!本当にやりたい仕事を見つける方法
まとめ
中小企業の企業研究のやり方から志望企業の絞り込み方法までご紹介してきました。
何社調べるのか、どこまで深堀り・比較するのかにもよりますが、企業研究の厚みはESにも必ず現れます。
「この人と一緒に働きたい」と人事担当や経営者に思わせるセルフプロデュースのためにも、ぜひ企業研究に取り組んでみてください。その知識はきっと、入社後の自分自身の強みにもなります。