
こんにちは、人事担当のリカです。
入社後の研修をあまり公開する会社はないのですが、当社オリジナルの会社案内研修の進め方をご紹介します。ビーズでは3日間という短期間での取組でしたが、4日間にしても良かったかなと思います。
入社して1.5カ月経過すると、働いている人、会社の雰囲気、取扱商品等会社のことがなんとなくわかってきます。また、入社時の研修で挨拶の仕方や名刺交換、電話応対をしていることから、下記の研修を実施。
実践的な研修を行うことで、理解や習得度合いをはかり、今後の配属後までにやるべきことをフィードバックすることができるので、双方ともにメリットがあると思います。
対象
新入社員4名以上
研修の目的
・入社以降学んできたことを仮想の商談の場で試し、体得する
・顧客ニーズの把握やその仕事の目的を考えることの重要性を学ぶ
・会社の特色、アピールポイント、製品などを会社案内制作を通じて学ぶ
・これまでに学んできた、文書作成、プレゼン、コミュニケーション等の能力を仮想のビジネスの場で発揮する
準備するもの
・名刺:2枚以上
・電話:2台
・Illustrator、PhotoshopがあるPC:チーム分
・あれば応接室:2箇所
研修期間
3日間
研修の構成
第1フェーズ:電話で商談アポイントをとる
第2フェーズ:商談を進める
第3フェーズ:会社案内の制作
第4フェーズ:プレゼン
研修の流れ
初日
新入社員を広告代理店の社長、営業担当者のチームに振り分け、研修の目的とやることを通知。
次に、各チームで会社名、役割(社長OR営業担当者)、会社の特色を決定(約1時間)。
第1フェーズ:応接室に各チームが入り、別応接室にいる研修担当者宛にテレアポ
重要なのはテレアポの対応によっては断りを入れ、各チームにガンガン電話をさせること。
切られる毎に何がまずかったのか考えるチームも入れば、とりあえず行動あるのみと電話しまくるチームがあったりと、各チームの特徴が見えてきます。
テレアポが徐々にカタチになり、必要な確認ができていれば、商談したいとアポイントをとり第1フェーズ完了とフィードバック(1時間あれば、各チームで10回以上電話できると思います)。
同部屋にすることで相手のチームの特色やテレアポ内容が聞け、探り合わせました。
例「弊社はマーケティングに強みをもつ広告代理店でございまして」
例「同時に複数の提案をさせていただいております」
等。時折「へ?」となる話し方もありましたが、新入社員はいたって真剣。笑ってはいけません。
第2フェーズ:訪問~商談
テレアポが取り付けられたチームは、人事担当者宛に訪問。
訪問時の挨拶や立ち居振る舞い、話の切り口、商談の進め方、会社案内を作成する上で必要な情報収集ができているかの点をチェック。クリアすれば、コンペへのアサインをし第2フェーズ完了とフィードバックとなります。が、第2フェーズが最も難しい仕様です。
というのも新入社員チームを迎え打つ研修担当は2名おり、一名はキーマン役。もう一名は商談の混乱役です。
新入社員が商談を通してキーマンから必要な情報(サイズ、枚数、部数等)をゲットするのですが、混乱役が全く異なることをリクエストします。この状況下で冷静に商談をすすめられるかがポイント。
商談は1チームあたり25分を決めていますが、内容が悪ければ第二フェーズ最初からやり直し。時折ヒントも与えつつ最大3回は訪問・商談をさせるつもりでしたが、意外といい商談内容となり各チーム1回の商談で終了しました。
商談が終了次第、制作に入っていきます。初日に第1、第2フェーズを完了させ、会社案内の制作に向けた打ち合わせに入らないと今後のスケジュールがタイトになりますので、研修する側もヒヤヒヤです。
二日目
第3フェーズ:会社案内制作、プレゼン準備
コンペ開催まで残り1.75日の期間で、各チームは商談内容からオジリナルの会社案内を制作します。※会社案内といっても、あくまでもラフ案です。
その為、使用するソフトはIllustratorやPhotoshop、Word、Excel等、自分たちで操作できるものとしています。この時、2チームが混在しないように応接室を終日貸し切るといった配慮が必要です。
会社案内作成中は基本フリーな状態ですので、本物の営業担当者に
「どんな時に会社案内を使うのか」
「シュチュエーションは?」といったヒアリングをするのもOK。
人事担当者に商談内容の確認をとったり、進め方の相談等ももちろんOKです。
三日目
第4フェーズ:プレゼン
引き続き会社案内の制作となりますが、「ビーズ株式会社のコンペへの参加」となりますので、当然プレゼンの準備も並行して行います。
ビーズのニーズは何だったのか
なぜ、この会社案内としたのか
この会社案内にしたことで得られるメリットとは何か
等、1チーム10分でプレゼン。
会社案内制作にプレゼン準備と大忙しな日です。
新入社員はコンペ会場となる会議室でプレゼン準備をし、定刻までに応接室で控えてもらいます。
定刻となれば役員、ブランド責任者、人事担当者等が勢揃いしている応接室から入室させ、簡単な挨拶&アイスブレイクをしてからプレゼン10分。
終了後、役員等から「この製品をチョイスした理由は?」「イメージ画像よりも製品にフォーカスした理由は?」といった質疑応答し、一旦退席させます。
全チームのプレゼンが終われば、会議室に集合し、プレゼンと会社案内についてフィードバックを行い、全行程が完了。
全工程を終えた新入社員は「(体感は)金曜って気分です」と言うほど、濃密な研修だった様子でした。
その後全チームが集まり、それぞれ出し切った成果や感想を共有してもらいました。ここでは新入社員だけの方が盛り上がるので、研修担当者も立ち入ることはしません。
ただ、糖分を欲しているだろうとオヤツをそっと差し入れしたら、大変賑わっていました。
※ちなみに研修中に差し入れたオヤツは、チョコレート(大袋)、笹かま(人数分)、pino(大箱)。
全行程で必要なのは、
・各フェーズ毎のTODOとNOT TODOを明確に設定すること
・フェーズ毎にフィードバックをし、良い点を伝えること
・商談の内容をベースに基本的に自由に考え、表現させること
・途中の休憩(頭を使う研修なので、フェーズごとに心身ともに疲労)
です。
新入社員だけでやるからと心配になってアレコレ言いいたくなりますが、言葉の数が多いほどそれを指示だと誤認識して「あの時、そうして欲しいって言ってましたよね?」と不満を生み出す原因となります。
なので、基本的には自由にさせてあげることが必要です。
研修側としては3日間も自由にすると、その時間を棒にふるんじゃないかと勇気が要りますが、可能性を信じて是非挑戦させましょう。
きっとイキイキと楽しんでやってくれるはずです。
この研修を実施した新入社員の感想
・今までのどのAdobeよりも集中しました。集中すると7-8時間でここまで出来るのかと自分でも驚く集中力の片鱗を味わっています。最後の質疑応答とアドバイスは「なるほどー」「たしかに」の連発でした。
・3日間、良い勉強になりました。また発表後の質疑応答でいただいた意見はすごく参考になり、どのような視点を持ち問題に取組む必要があるのかがわかりました
・企画としては当たり前の感情をないがしろにした無機質なものとなってしまったので、目の前だけに必死にならずに初心に帰って頑張ります。
・今、頭が回らないのでなんとも言えませんが、反省したいことはた
研修をやる側としては、かなり時間の負担は発生しますが、やる側、やった側ともに満足度は高いように感じます。研修後、今度は4人で会社案内を完成させる?と冗談を言ってみたら、「悔しい結果だったのでもう一回チャレンジしたい」とのこと。まさかもう一回やりたいとは。
今回、新入社員が作成した会社案内は、再度見直してもらい、今後、とあるイベントに参画する際、使ってみようかなと検討しています。
最後に:各チームのラフ案一部
こまかい点がお見せできないのですが、1.75日で上手く仕上げてきたなと思っています。